地域第三係の重点対象地域(共和町老古美地区)は、水稲と畑作の複合経営が主体です。当地域は山あいに位置していることから、土壌は緻密な台地土であるため、土壌同士が締まって排水性等が劣るなど、作物の土壌環境としては不利な条件にあります。
そこで、この土壌環境を改良するため、秋まき小麦や早出しばれいしょ収穫後のほ場に対して緑肥の導入を推進しています。
これまでは、野生種えん麦を推進していました。しかし、近年は栽培期間中に高温の影響を受けて早期に出穂してしまい、十分な生育量を確保できない事例が見られました。
そこで今年は、高温性のイネ科緑肥であるパールミレット(トウジンビエ)に着目し、現地での栽培実証を行っています。今年は7月中旬に秋まき小麦収穫後のほ場には種しました。生育はすこぶる旺盛で、8月下旬の調査時点で草丈は1mを超えおり、その品種特性に農業者も大変驚いておりました。
今年の生育の様子から、本品種の土壌改良効果に大きく期待できそうです。引き続き、生育量調査の他に、緑肥をすき込んだほ場で翌年栽培する作物の生育状況や適応性を調査して地域への導入に向けて支援していきます。
は種後36日目の様子(8月23日撮影) かなり旺盛な生育を示すパールミレット
草丈は1mを超えるほどの大きな生育量(は種後36日目)