小樽で受け継がれる職人技術を知る。自分で作るお土産作りは忘れられない体験。

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●職人の会の製作体験(小樽職人の会:小樽市)

ロマンチックな建物や、レトロな建物が数多く残り、いくつもの観光名所がある小樽市。
かつてはニシン漁で栄えたほか、鉄道と船のターミナルとして人や物が行き来した道内随一の都市でした。
そんな小樽というまちには、当時から市民の暮らしを支えてきた街の職人たちが存在していました。
そして、今も現役で活動する小樽の職人たちの技術を体験できる「職人の会製作体験」が、学校教育や観光客に人気となっています。
どんな内容なのでしょうか。

店外観_40A0225 (JPG 103KB)

製作体験は、仏壇職人による「金箔貼りの箸作り」、染物職人による「洗い染体験」、和菓子職人による「上生菓子作り」、印章彫刻技能士による「落款彫刻(篆刻)」、紋章上繪師による「家紋扇子作り」、その他、現代工芸品の体験プログラムなども行っています。
運営するのは、小樽職人の会という団体で、その代表である松田印判店で製作体験について、内容を伺いました。

印鑑彫刻_40A0185 (JPG 77.1KB)

松田さんによる体験プログラムは、「落款彫刻(篆刻)」。落款(らっかん)とは、書家や画家が自分の作品に押す署名用のはんこのことで、これを作ります。
体験にあたっては、職人の会へ事前に申し込みをいただいて、人数と会場の空き具合を調整し、会場を決めます(小樽港マリーナ、運河プラザ三番庫、小樽市民センター、小樽公会堂、など)。
会場がどこになるか、職人の会から折り返し連絡が届くので、当日はそちらで集合となります。

体験の手順-下書き_40A0135 (JPG 54.9KB)

当日は持ち物不要。「落款彫刻」体験では最初に、はんこ用の篆書体(てんしょたい:フォントのこと)の見本帳を見ながら、自分のはんこの文字デザインを作ることがらスタートします。
どんな雰囲気にするかを検討できるよう、専用の下書き用紙の中には、いくつかの四角い枠があり、デザイン案を複数書いた中から、一番気に入ったものを選んで彫る図柄を決定します。

体験の手順-彫刻刀_40A0113 (JPG 86KB)

はんこの素材は、ろう石という白く軟らかい石。この断面をサンドペーパーで磨き、朱墨を塗り、自分で作った文字デザインを下書きとして転写します。
転写は、印材に文字を逆字で書き入れるので難しい作業ですが、職人が間違わないように都度指導します。

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朱墨の面に裏返しの文字を写し終わったら、印刀(いんとう)というはんこ用の彫刻刀を使って、実際に彫っていきます。
ろう石は小さいので、彫りやすくするために固定器具を使います。
印刀の刃の角や平たい部分を使い、一本の印刀ではんこを仕上げていきます。
小樽職人の会では、このような「落款彫刻」体験を含め 11 種目のプログラムを用意しています。
小中高大学の教育旅行もたくさん受け入れていますが、近年は外国の学校からも製作体験にきているそうです。

職人の会看板_40A0218.jpg

先代の跡を継ぎ創業80年を迎えた2代目の松田さん。今は、「はんこがない時代」と語ります。
時代の変化には対応が必要ですが、小樽の人々のために働いてきた職人たちの高い技術を発揮する場が失われるのは、あまりにもったいないことです。
そこで30年ほど前、小樽職人の会は結成されました。
職人たちの団体結成をきっかけに、地元の学校から授業の一環として依頼を受け、技術を披露し好評だったことから、小樽市内やほかの学校の課外授業・教育旅行での製作体験が始まりました。
現在は参加対象を観光客にも広げ、小樽に残る産業文化を伝え続けています。

レーザー加工機_40A0210 (JPG 69.1KB)

松田印判店では、娘さんが 3 代目になりました。職人技術を持ちながら、レーザー加工機など新しい取り組みも始めています。
伝統技法と最新技術が交差する次の時代、新たな担い手となる職人たちがどんな形で技術を伝えていくのか、これからの職人の会にも注目です。

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<アクティビティ料金>
●製作体験費(90 分) お一人様1業種につき2,300円(税込)
●最小催行人数 5 名
<お申込み・お問合せ>
小樽職人の会
小樽市稲穂3丁目16-16(事務局:松田印判店)
TEL.0134-33-2339 FAX.0134-64-1003
https://otaru-shokunin.jp/

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