蘭越町の豊かな自然にたたずむ陶芸教室で、世界に一つだけの器づくりを体験。

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●陶芸体験(CRAFT&GALLERY 道里夢:蘭越町)

アイヌ語で「桂の木の多いところ」を意味する「ランコ・ウシ」が地名の由来といわれる蘭越町。雄大なニセコ連峰に囲まれ、尻別川の清らかな水と肥沃な大地が育んだ「らんこし米」の生産地とてして知られています。
そんな魅力溢れる土地に根付き、創作活動を続けながら陶芸教室を開いているところがあると聞き、しりべしアドベンチャー編集者が2時間ほどの陶芸体験に参加してきました。

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新千歳空港から車で約2時間、札幌市中心部からは車で約2時間30分。道道229号沿いにある「CRAFT&GALLERY 道里夢(ドリーム)」です。ニセコの魅力にひかれて移住した池田富次さんがここで陶芸作品の創作、販売を行っているほか、予約制で陶芸教室を開いています。数年前よりニセコを訪れるインバウンドに知られるところとなり、現在はさまざまな国の方が陶芸体験に来るそうです。
訪れた日は3月初めとは思えないほど暖かく工房の前も解けた雪で水たまりができ、道路が見えています。

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ギャラリー内で展示販売されている池田さんの陶芸作品。カップや茶わん、徳利やおちょこなどの食器・酒器のほか、かわいい猫のオブジェもありました。温かみのある作風が特徴で、国内外にたくさんのファンがいる同工房。家にあったらいいな、と思う作品がいくつもありました。なお割れ物がたくさん置いてあるので、ギャラリー内ではご注意を。

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受け付けを済ませた後は、皿やコーヒーカップなどいくつか見本をみて、作りたい作品を選びます。ここは手びねりと電動ろくろが体験でき、それぞれ1つずつ作れるとのことなので、今回は画像のような陶器のコップ(手びねり)と茶碗(電動ろくろ)を作ることにしました。夏場、キンキンに冷えたビールをキンキンに冷やしたこのコップで飲みたい!らんこし米を蘭越で作った茶碗でほおばりたい!と胸中密かに盛り上がっていました。
教室では池田さんと一緒に「織部焼」の特徴を持つ器を作ります。茶人・古田織部によって生み出され、斬新さ、自由奔放さが特徴の焼き物、「織部焼」。初心者の私にも、味のある器が作れるかもしれない、そんな思いでギャラリー隣の工房に向かいました。

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本日の講師、池田富次さん。1978年に多摩美術大学を卒業後、 東京都八王子市に富陶工房を設立、東京赤坂、新宿、国立、八王子にて個展・グループ展を毎年開催するなど活動の中心は東京でしたが、ドラマ「北の国から」をみて北海道での生活に憧れ、1992年に蘭越町に移住し現在の工房を開きました。
移住後は倶知安農業高校・ニセコ高校美術科で非常勤講師を務めていたこともあり、また後志管内の小学・中学・高校で陶芸・野焼き教室を開催するなど、地域で陶芸に関する教育活動にも尽力してきた方です。

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工房にあるエプロンを着けて、いよいよ陶芸体験が始まりました。最初は土を練るところから。土練りは中に入った空気を抜くためで、陶芸の基本かつ重要な作業です。これを怠ると、焼いているときに気泡が膨らみ、破裂してしまいます。
あらかじめ池田さんが配合してくれた土を「粗練り」し、次に、よりしっかり空気を抜くため「菊練り」を行います。
練り方は池田さんが丁寧に分かりやすく教えてくれます。ですが、「菊練り3年」と言われるほど、菊練りは奥の深い作業です。もちろん、うまくできないときは、池田さんが手伝ってくれるので安心です。

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練った土をほどよいサイズに切り取り、手ろくろに乗せて、少しずつ回しならが前述したような形のコップを手びねりで作っていきます。均等に力を加えていかないと、でこぼこになってしまうので注意が必要です。最終的には思ったよりもうまくできましたが、細かい裂け目というか、しわができてしまいました。

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ここで、縄の登場です。成型後は縄文土器のように縄で丁寧に模様をつけていく作業を行います。この作業は、ただ美しい模様をつけるためではありません。縄目を均等につけることでヒビを防ぎ、丈夫な器にする効果があります。
確かに、縄目をきれいにつけていくと成型時にできた小さな裂け目が消えていくのが分かります。
世界遺産の縄文遺跡群をはじめ、北海道では各所から縄文土器がたくさん出土しています。多くの縄文土器が状態よく出土しているのは、こうした「割れにくい土器」を作っていたからなのだ、と感銘を受けました。

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この陶芸教室で楽しかったのは、単に陶芸を習うのではなく、さきほどの縄文のお話のように池田さんの器についてのいろいろな知識、うんちくが聞けたところです。人類が土器と出会い、使うまでの考察や、なぜ西欧と日本でそれぞれ違った形の器が発達したか、いろいろなお話を聞くことができました。

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手びねりでコップを作った後は、電動ろくろで茶碗づくりに挑戦。以前、別のところで電動ろくろを体験したときは、ぐにゃぐにゃになってしまい、今回もとても自分ではできそうにないと思っていました。
しかしここでも、池田さんが非常に分かりやすく指導してくれました。電動ろくろは指先の力の入れ具合が肝心で、力を入れ過ぎたり、均等に力をいれないと、たちまちぐにゃぐにゃになってしまいます。今回は池田さんが私の手を軽くつまんで、「これくらいの力の入れ具合」と伝えてくれたので、「あ、このくらいの力でいいんだ」と理解でき、きれいな形のお茶碗ができました。

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最後に電動ろくろからひもで茶碗を切り離し、人差し指と中指で「V」の字を作って、慎重に茶碗を持ち上げ、板に乗せて本日の作業は終了。この後、器の底に自分だと分かる印をつけて、色の付け方を選び、後日焼いてもらいます。できてくるまで1カ月半ほどかかりますが、後日工房までとりに行っても良いですし、郵送も可能です(別途郵送料がかかります)。
今回の陶芸体験は、単純に土に触れられた喜びとともに、陶器について興味がわくようなお話もあり、とても充実した2時間でした。蘭越町の自然や食を楽しみながら、陶芸体験はいかがでしょうか。

<アクティビティ料金>
●陶芸体験
・開催期間 通年
・料金 4,400円
・所用時間 2時間
・開始時間 ①10:00 ②13:00
※その他の時間帯の場合はご相談ください。
・集合場所 CRAFT&GALLERY 道里夢(北海道磯谷郡蘭越町吉国38-5)
・催行人数 1名~10名
・対象年齢 6才~
・予約締切 3日前
・服装・持ち物 特になし。動きやすい服装でお越しください
・駐車場 あり

<お申込み・お問合せ>
CRAFT&GALLERY 道里夢
TEL:090-6215-1690

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